そろばんで身につく技能

今年はこのタイミングでの入学が続いていますが、「そろばんで身につく技能とはどのようなものがある」のか体験で説明する機会があります。そろばんのイメージが、そろばんを使って紙の問題を解くことだけと思っている人にとってはかなり違った印象になっています。先のイメージがあることは確かで、その技能が基本にあります。それは「紙にある計算問題を正しくそろばんを使って計算し、正しい答えをだすこと」ですが、この内容は「数字を正しく読み取り、ツールを使って正しい計算方法で解く」という内容です。この前者の「数字を正しく読み取るためには、一時的に記憶するということがありますが、この訓練をしていないと今の時代の電卓やテンキーに数字を入れる際に間違えた数字を入れることになります。よく電卓などでの計算間違いをする人に共通するミスですね。そろばんでは、その正しく読み取る(一時的に記憶する)ということが訓練され身につきます。そのミスが減るということでもありますね。

さらに、そろばんを一定期間学習すると、そろばんを使わなくても計算ができる「暗算(あんざん)力」が身につきます。要は、そろばんというツールがなくても頭の中で計算できるということですね。これは「 人間力の一つの技能 」です。紙の上での計算、電卓を使っての計算ではないということです。スマホやパソコン、あるいは紙がなければ計算できない人が多くなった時代に、そのようなものがなくても頭の中だけで計算できることがメリットと感じる人もいる思います。例えば、数字を使った会議の際、普段の買い物の時、飲み会などの割り勘計算など、その場面で重宝される人になることができるのは差別化できる能力と思いますがどうでしょうか常に人任せの人にはメリットがないとも言えますね

その他に、「読上種目(読上算(よみあげざん)・読上暗算(よみあげあんざん))」の練習がある場合には、読み上げられた数字(見えるものはありません)を一回で聞き取る能力が身につきます。注意力、集中力がないと聞き逃します。最近、「今、なんて言ったの?」と一度で聞き取れない人が増えてきている中で、この技能で、「 聞く能力のアップ 」がはかられます。これも大事な能力と思いますがどうでしょうかね。「読上算」では、聞いた数字をそろばんに入れることになり、レベルが上がると桁(例えば10桁(十億))が大きくなりますので、少し遅れて入れなければならず、数字を記憶し、スピーディにそろばんで計算する能力が身につきます。「読上暗算」では、そろばんは使わずに頭の中で、1桁の計算から2桁でも、レベルが上がれば、3桁、4桁でも10個位の数字は平気で計算できるようになります。記憶力がアップすることだけでなく脳トレでもあります」ね。そういう意味では年配者の人の脳トレにもよいですね。こういう「耳が鍛えられる技能」も身につくのがそろばん学習ですね。

もう一つ「フラッシュ暗算」という種目では、パソコン上に表示される数字を頭の中で計算する技能です。耳で聞く「読上種目」とは異なり、目で見た数字を瞬時に計算する技能です。レベルがあがると数字が表示される時間が短時間になり瞬時に読み取り計算する技能が必要なります。「動体視力のレベルアップになる」とも言えますね。一瞬で読み取る能力とさらに頭の中で一瞬で計算する暗算力も鍛えられるものです。わずかの時間での見たものを、見落とさない能力は大事なものと思いますが、どうですかね。ほかの種目もありますが、例えばこのような技能が身につくのがそろばん学習です。イメージでできない方も多いでしょうから、お近くのそろばん教室で確認されてみるがよいでしょうね。自分が知っていることではないところにこれからの時代に使える可能性のある、「差別化できる能力」を身につけられる機会があるように思います。どうでしょうか。