2桁のかけざん

小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本 」というのが、2023年年間ベストセラー総合1位を獲得されたようですね。「 99×99まで暗算ができる 」という内容のもの同様に読まれているようです。このことは「2桁同士(2桁×2桁)のかけざんができると算数、数学にメリットがあると感じている方が多い」ということですね。ただ、そろばんを一定期間習って、日商検定の例えば暗算2級以上の技能を持っているそろばん学習者にとっては2桁同士のかけ算はものの数秒(検定で合格するためには8秒でできる計算技能です)で簡単にできてしまうことですただ、そろばんを習ったことがない、習っている人が周りに少ないと飛びつきたくなる内容ということなのでしょうね。

かけ算の算数のテクニックとしての計算方法にはいろいろなものがありますが、この本の内容を含めて公式同様に覚えておければ、うまく使うことですぐに計算できますが、式を見て使う公式を使いこなせない人にはなかなか難しいことかもです。ところが、そろばんでの計算は公式ではなく、そろばんを使ってのかけ算方法ができるかどうかです。ただ、そろばんを使った計算方法は覚えてしまえば汎用的ですが、暗算(あんざん)として頭の中で使いこなせるようになるには少なくとも2年ぐらいはかかりますので、それができるようになるには残念ながら1日ではできないものですね。ということから、まして、そろばんを知らない人にとっては得する計算方法として飛びつきたくなるということですね。

となりますが、今、教室では全体の1/3ぐらいがこの2桁同士(2桁✕2桁)以上のかけ算ができるようになっています。やり方は違いますが、ベストセラーになった本のレベルには1/3ぐらいの人が到達しているということです暗算(あんざん)を学習できるそろばん教室では一定期間で大半の人(普通に努力できる人なら)ができるようになるということですね。ただ、当教室では暗算の練習に入るには約1年そろばんの練習(そろばんの珠を使った計算方法のマスターの為)をして、珠算7級の技能がある状態ぐらいからとしています。そして、暗算の練習に入り、最初の暗算の検定試験を受験してから約1年で多くの人はこのレベルができる技能に到達します。とはいえ、このレベルにきていれば恐らく学校の算数の計算問題を解く内容では常に上位と思います。

こういう計算、暗算の技能を少し時間はかかりますが、小学生時代に身につけてみるというものどうですかね。さらに、その検定に合格するためにはかけ算だけでなく、みとり暗算(足し算の暗算、2~3桁同志の加算)、わり暗算(4桁÷2桁)も同様にできるようになります。確かに合格するには相応の練習、訓練が必要になるこの技能は、大いにメリットはあるように思いますが、期間、費用との天秤かもですね。ただ、この内容の本がこれだけ売れていることからは、もし、このような内容に興味があれば、お近くのそろばん教室でこの技能の話を聞いてみてはと思います