経済センサスのそろばん記事

メディアでも取り上げられた総務省の経済センサスの内容で、大阪のそろばん教室に通う生徒の数が、2位の愛知の2倍、3位の東京の4倍という記事がありました。詳しい内容では、4位が静岡で(大阪は比較で6.6倍)、5位が神奈川で(大阪は同7.1倍)、6位が埼玉(大阪は同7.2倍)とのことです。 総人口を考えれば、東京(1300万人)や神奈川(900万人)よりも大阪(890万人)は少なく、愛知(740万人)よりは少し多い人口ですので、その中で該当年齢を考慮してもやはり大阪は突出しています。

そろばん特区での計算科などを積極的に行っている地域差や学校やPTAの意識の違いなどがあるのかもですね。とはいえ、実益のないことをしない地域性もあると思いますので、やはりメリットは感じているのでしょうね。

ちなみに施設利用総数の他の施設のそろばん塾との比較では、学習塾がそろばんの16.3倍、スポーツ・健康関係が4.5倍、音楽が2.8倍、書道が1.7倍が、英会話が1.8倍、生花・茶道が0.7倍のようになっているようです。それだけ、そろばんよりも多くの人が使っているということです。 そろばんが見直されてきているといわれてはいますが、マクロ的な総数の実態としてはまだまだですね。

観察定位法の利用から

そろばんのかけ算、割り算のやり方の中に、問題を「 何桁の数かを読み取り、一の位の位置を定めて計算する 」やり方があります。その方法の中でもいくつかの方法や覚え方があるように思いますが、当教室では一定の級になったときに、かけざんは、そろばんには問題の式を置かずに両落としで、割り算は割られる数(そろばんでは、実といいます)だけを置く形の「 観察定位法 」のやり方を導入しています。

目的は、そろばんを習うことで算数の計算力もアップしなければそろばんの効果が半減しますので、式を見れば、何桁の数かすぐにわかり(概数理解)、簡単な問題ならば暗算でも答えをだすことができるために行っています。 結果、そろばんのスピードも上がることを期待してのものです。 また、やり方は暗算もそろばんと同じにしましたので、そろばんを少し習えば、すぐに暗算にも取り組むことができます。

今、ちょうど、やり方と覚え方をできるだけ下級から上級まで統一したわかりやすい方法に整理をしたところです。特に、珠算3級以上の小数点問題の覚え方をシンプルにしたので、それを上級者が理解できるように頑張らせています。 少し慣れるまで時間がかかりますが、いずれは、普通の整数問題も、少数点問題も何の抵抗もなく計算ができるようになるものと期待しています。この方法で「 正確性もスピード 」も上げ、次の4月競技会でも一つ上を目指してもらいたいものです。

2月教場検定結果から

先週に実施の教場検定の結果を教室に張り出しています。2ヶ月毎に実力を試すものでもあり、今の学年での最後の検定でした。インフルエンザや風邪などが理由で受験できないメンバーも、病欠明けで振るわないメンバーもいましたが精一杯頑張りました。

今回2月の重点種目が暗算系の2種目(暗算・読上暗算)でしたが、その中でも、級暗算に多数合格、1年生の6級暗算合格、4ヶ月目の年長さんが読上暗算種目に合格しました。 12月に合格の1・2年生の読上暗算の連続合格者も5名3級の読上暗算3・4年生が頑張り、合格したことで上級生を短期間で追い越しました。

検定合格が目的ではありませんが、能力を伸ばすためには少し背伸びをする期限を切った目標の設定あったほうがよいことは確かなことです。6年生の中に1年前の目標をこの1年間で計画通りに果たしたメンバーもでています。こういう姿勢が大事ですね。

当教室では、全員がペースは各自それぞれでも能力向上を結果で残せるように考えて指導をしています。時間がかかる人もいますが、最終的にはなんらかの技能を習得できるようにと思います。 現在は、1年以上の学習者は全員2種目以上の検定に合格し、1年6ヶ月以上の学習者は全員3種目以上に合格しています。能力が確実に習得できている結果ですので、今後もしっかりと頑張ってもらいたいと思っています。

 

種目別に磨かれる能力

今年も来月、3月2日(日)に「 優良生徒表彰式 」が中原市民館で行われます。当教室からは、「昨年一年間に前年比で上級に進級したり競技会成績が向上した8名が表彰されます。(本部表彰・協会表彰者は全五種目が昇級したメンバーです) その表彰項目で、3級以上の四種合格(珠算・暗算・読上算・読上暗算)表彰があります。(当教室から今年は、四種2級合格者、四種3級合格者が表彰)

この四種目にフラッシュ暗算を加えて五種目のそろばんの種目学習を教室では実施しています。種目別に基本のそろばんを使った珠算以外にもにそれぞれ違った能力が磨かれますので、能力開発のためにもよいと考えてのものです。

例えば、「珠算」は、数字を読み取り、「ツールとしてのそろばん」に位と数字を間違えずに、加減乗除をルール通りに指を使って入れ、一定の正答率で行う技能です。 「暗算」は、珠算でおこなっていることをツールとしてのそろばんを使わずに頭の中で(イメージ映像)行う技能です。 「読上算」は、数字を読み上げる声を耳で聞き(聴覚)、位と数字を間違えずに、一定のスピードでそろばんに入力し、加減算を行う技能です。 「読上暗算」は、「読上算」の内容をそろばんを使わない暗算で行うこととなります。この2つは、「集中した状態で、数字を耳で聞き(聴覚)、それを記憶してそろばんに入れたり暗算する」という能力が必要になります。 そして、「フラッシュ暗算」は、モニターに出てくる数字を「目で見て読み取り(視覚)、そろばんを使わずに計算を行う暗算」技能です。

いろいろなとらえ方はあると思いますが、「指を使うことで脳が鍛えられる」という脳科学者のお話はそろばんというツールを使う「珠算や読上算」でそれが可能となり、「暗算」では「記憶力とイメージ力」などが、「読上げ種目」では「集中力と聞く能力(=聞く力)」も同時に鍛えられ、「フラッシュ暗算」では、「目からの視覚情報を瞬時に判断し、頭の中で加工できる能力」が鍛えられるのではないかといわれています。

こういう様々な能力開発を期待してそろばんの学習をすることになります。全種目で身につく集中力記憶力などはほかに十分利用できる基礎能力ですので、計算力という視点だけではなく、是非とも幅広い能力向上もをしてもらいたいものです

 

スピードと正確性

週末に検定試験が近づいています。合格点に到達しているメンバーもいれば、ボーダーラインを行ったり来たりしていたり、まだ合格点に手が届かない人など様々です。合格点に到達しようと努力をするには、「教えられたことをマスターする、時間をかけて繰り返し訓練するということ、そして、間違いを正す」というものがあります。さらに基本的な姿勢を加えれば、「するためにはどうしたらよいかを考えて努力を怠らない」ことも基本ですね。

<スピード> 教えられた正しいやり方を理解し、時間をかけて繰り返す努力をすれば、スピードが上がり、時間内で問題を解くことは可能になります。何事も同様ですが、訓練としてそろばんを一定量ははじくことが大事です。ここにスピードの基本があると考えています。まずは、時間内で全問できるスピードが大事です。

<正確性> 次が間違いを正すですが、これには「忘れているやり方をなくすことや、間違ったやり方を直すこと」があります。まず、全ての問題が解ける(やり方としては解けない問題がない)だけの力が必要になります。そして、間違ったやり方を意識してしっかりと直すことです。時間さえあれば、全部問題を答えられるという正確性の基本はここにあると考えています。

近の傾向として、できる問題だけ頑張るという姿勢が見受けられとても問題に感じています。できなくてもそれを放置するということではいずれできない問題が増え、どんなに頑張ってもできる問題だけでは合格点に到達しなくなります。こういう姿勢は直したいものですね。