右脳開発の一つとして、少し前に「地頭(じあたま)」の力を問う問題が流行ったことがありました。一般企業の入社試験で「 明確な答えのない問題をどのように考えて、どのような解答をするか 」が話題になったころです。「知識」と「智慧」の違いという形でも使われていたように覚えています。 例えば、「地元の小学校の校庭には、何人の人が入れますか?」というような突飛な問題です。これはおそらくどんなにインターネットを検索しても答えはありません。自分でどう考えて、何を根拠に答えを導き出すかとなります。その思考のプロセスができるかどうかが問われている問題です。
そろばんを使ってこの能力開発ができる?には無理がありますが、右脳の発想力利用の能力とはやはり関係があるように思われます。その点では、そろばんで右脳を使う習慣を身につけることは何か接点があるかもしれません。それが当教室で、右脳教材をそろばん教材とは別に取り入れている理由の一つです。
ところで補足として、 「情報(資料、記録、文献など)」は、見つけるだけでなく、それを利用しようと考えた時に発想することにつながります。 情報は今の時代、インターネットで検索する能力さえあれば、子供でも大人でも同じ内容の情報を手に入れることができます。そのために自分では何も考えないでも検索結果の中から答えを見つけて、あたかも自分の力と勘違いしてしまうことも多々あります。これは検索する力は確かにありますが、あくまで知識や情報の複製でしかないということです。
何かの問題で答えが仮に見つからない場合に、「見つからずわかりません」と答えるか、「似たようなものや違ったものの中からの何かを利用し、こうではないか」と答えることができるかの違いかもしれません。 前者は考えることをしていない「思考停止」、後者は考えたことを活用しようとしている状態で、本来必要な力は後者ですよね。右脳をトレーニングすることで、こういう能力が向上するとなれば、少しでも右脳を使ったり、活性化することに時間を使ってみてはどうかと思いますが、どうでしょうか。