AIの時代に「選ばれる人になる」

今日の日経新聞の夕刊にもありましたが、毎日のように「AI」についての記事がでています。囲碁や将棋の名人がAIを使ったコンピュータ囲碁・将棋に負けたり、あるいは「 仕事消滅 AI時代を生き抜くために、いま私たちにできること 講談社+α新書」のような書籍を読むとやはりこれから様々な仕事がコンピュータに取って代わられることを考えなければなりませんね。その時に何が自分はできるか・・・そろばんで習得される技能もひとつの「差別化できる技能」とは思いますが、何かで「選ばれる人」になることが必要ですね。

そのためにもコンピュータに対抗できる能力を高めることが大事ですね。単純な計算力だけでなく、数感覚の高い力の習得、考える力をと思います。とはいえ、その前に今、教室の1部あるいは2部の時間の最大のテーマはそのための基礎になるさらなる「集中力」アップかもしれないですね。コンピュータには集中力切れや疲れはありません。教室では、まだまだの人もいますので、ここでステップアップをです。以前の以下のコメントを思い出しました。これができるようになると、そろばんだけでなく、どのようなものにも活用できます。「人間力アップに焦点を当てた能力向上が大事ですね。

3分→~20分・30分の壁

かけ算と概数(おおよその数)

今回は、休み明けトレーニングで確認していた、当教室でのかけ算のやり方の考え方からです。そろばんのかけ算のやり方にもいくつかありますが、「34×56」という場合を考えてみます。最初に比較のために「筆算」の場合を先に考えると、数字を上に34、下に56と縦に2つ並べて書いて、6×4から始めますね。24の2を小さく書き4を書き、次の6×3の18の8と小さく書いた2をたして、まず204、下に一つずらして今度は、5×4で20と5×3の15を同じようにやり170と(ひとつずれて)書いて二つをたし、1904となりますね。

ところが、2つ目の170をそのままずらさずに書いて、204と170をたして、374としてしまう生徒も見られます。この筆算の場合に、この計算の答えが何桁(ケタ)の数字になるかは全く考えなくてもできてしまうことから起きていることの一つとも言えますね。そもそもどのような数になるかは計算後にわかるだけというのはいかがなものでしょう。さて、そろばんの場合で、片落とし(片方の数字だけ置く)でそろばんの上にかけられる数の34だけを置く方法の場合には、同様に何桁の答えになるかは、そろばん上で計算が終わるまでわかりません。というよりもこの方法もそのようなことは考えなくてもよい計算方法になっています。間違わないように計算する方法としてはよいのですが、これでは、残念ながら概数把握という点では弱い計算方法となってしまっていますね。

それをより数感覚を高める方法の一つが、「 観察定位法 」という「最初にかけられる数とかける数の桁数を数えて何桁の答えになるかを想定してから計算する方法(当教室では10級からこの方法となります)です。(今回の例の「34×56」の場合は、前が2桁、後ろが2桁、よって、2+2で、4桁の答えになると想定して(実際のこたえは、1904ですので4桁ですよね)計算を始める方法です。これをマスターできると、式を見ただけで何桁の数になるかを把握でき、だいたいの数ならば、瞬時で計算できることになります。(だいたいの数は、数字の上の1桁あるいは2桁のかけ算で求めるからですね。) 例えば 「584×732 」などはどうでしょうか? 実際の答えは427488ですが、概数把握ならば、580×730(423400)あるいは、600×700(420000)でよいですね。答えの桁数は、3+3で6桁になると想定して、420000(42万)ぐらいとすぐにこの方法を知っていれば計算できます。

「 計算方法 」というのはいくつもありますが、このように「式と答えの関係(何と何を計算したらどうなる)を正しく理解する」ということもこれからは大事なことと考えています。電卓に数字を打ち込むだけ、筆算でただ計算するだけというのはいくら早く答えをだせたとしても数感覚的には弱く残念な状態ですね。将来使う数字というのは、正確性が必要とされる場合と、ざっくり概算を必要とされる場合がありますが、どちらも桁が違っては問題ですよね。「すぐに桁が正しいか否かがわかること」は大事なポイントになっているということです。売上予測や、販売計画などで一ケタ違う話では数字を使う意味はなくなりますね。

計算を、暗算や、計算機やそろばんなどを使ったとしても、その答えの「桁の正確性」はとても大事なものですね。この点ともう一つの算数や数学での「 式を立てられる能力 」の2つを磨くことが本来の計算力を磨くということと思いますが、なかなか難しいですね。以上が、ちょうど、休み明けで一斉に確認指導をしていて再確認していたことでした・・・。

習い事で身につけて欲しいこと

明日18日から、そろばんの夏季休暇も終わりスタートとなります。毎年、夏期(8月)と冬期(1月)は、初級クラスで見事に「やり方を忘れてくる人」がいます。習い事の技術習得のゴールは「将来に役立つ技能、消えない技能」であるのですが、これができない人もいることは現実ですね。今消えるようでは将来は当然ないですよね。計算のスピードが落ちることや桁の暗算の記憶のレベルが下がることは仕方がないですが、「やり方を忘れるのはどのような技能でも学習でも問題なことは明確ですね。ということで、教室ではいつものように全員が休み明けトレーニング」を行い、やり方の復習だけでなく、来週中には「スピードと正確性」を元に戻してもらいます。この夏期休暇前に入学した人も多数いますが、そのメンバーは基本の確認からですね。

ところでさらに、そろばん学習のよいところは一定時間集中して問題を解くことができるようになることですね。集中力なくすぐに他のことをはじめてしまうお子さんがどれだけ多いことか。そういう日々の活動が今の時代に少なくなっていることからかもしれませんね。この一点だけでもメリットのある習い事の一つですね。明日からのトレーニングの初級対象の1部の時間はこの「集中力」も再確認とともにレベルアップを図ります。集中力はすべての活動の基本ですので。

また、もう一つ「反復トレーニングとレベルアップトレーニング」もそろばんの良いポイントですね。この何かを確実に身につけるための反復して訓練するということも少なくなってしまっています。そして、そろばんは、一つのレベル(級)をクリアすると次のレベルアップした問題に挑戦していくというステップが明確に用意されていることはとても分かりやすい学習といえますね。 ただ、級を取ることがゴールではなく、そのレベルの算数や数学、そして日常の計算ならば確実にクリアできる(当然、それよりも簡単なレベルはできる)そういう技能を身につけてもらうことが大事なことで、その点もしっかりと理解し、検定合格で満足することないようにしてほしいですね。ある5年生が、4年生の算数の復習問題を「覚えていないからできない」ということを言っていましたが、5年生ならば4年生の問題はやり方を覚えていて解くことができることは当然で、それができないということではダメということですね。皆さんは大丈夫でしょうか?

1年生、3年生が四種目合格(8月検定)

昨日、先週実施の8月検定の合格者を教室の壁に張り出しました。今回は、1年生の四種目同時合格者(珠算6級、暗算4級、読上算6級、読上暗算5級)を含み、3年生でも四種目合格者がありました。種目別では、珠算の受験者は4級以下のみでしたのでとてもよい結果がでています。わり算がマスターできなかった4級受験者と時間が間に合わなかった8級受験者のみ合格できませんでしたが、他は全員が合格です。6級、8級ではたくさんの人が昇級します。次は少し難しいレベルの技能がありますが、頑張ってもらいたいと思います。暗算は、下級合格者が多数でしたが、上級はあと一歩が多数です。読上種目は、1名が読上算合格でオール2級に到達です。ほかは、今回も下級は良く、上級は届かずの印象でした。

次の検定は10月で少し期間がありますので、この期間はしっかりとできない種目をなくすことや、速度を上げる努力をですね。また、幼稚園生~3年生ぐらいまではまず、一定時間集中して問題に取り組むことができるようになることの方が技術向上の前に必要なことの人もたくさんいますね。

また、教室は、8月11日から夏期休暇に入ります。一旦リフレッシュすることも大事ですので、夏休みを楽しみましょう。教室の再開は18日からです。

WAC(ワールドあんざんクラッシック)開催

教室の活動とは直接関係はありませんが、昨日8月6日、WAC(WORLD ANZAN CLASSIC:ワールドあんざんクラッシック 主催:日本国際そろばん協会)が、川崎商工会議所のKCCIホールで開催されました。参加者は、日本、韓国、中国、中華民国(台湾)、マレーシア、モンゴル、シンガポールの7か国からで、申込み段階で119名の幼稚園から高校までの選手がそろばん・あんざんの大会に参加しました。午後からの開催でしたが、お昼過ぎから次々といろいろな言葉が飛び交う国際色豊かなイベントでした。皆さんがトロフィーを持ち帰ることができ、とても楽しめるお祭り型の大会でもあり、とても盛り上がりました。

今後も、このようなイベントが開催されると思いますが、日本以上に、そろばんの国際化が進んでいることを垣間見ることができたイベントでもありました。

通信競技大会と6月末以降の活動

この半月ほどは、「 6月検定、満点チャレンジ、あんざんコンクール、フラッシュ暗算検定 」とイベントが続き、検定結果報告以外一つ一つのまとめができていませんでしたが、以下のような結果となっています。初級クラスの1部の時間もほとんどのメンバーが基本を卒業し、今回の競技会などに参加できる人が何人もでてきているなど、短期間で技術レベルを上げ、とてもよく頑張っています。夏休み前後から新たに入学するメンバーがいますので、良い刺激になりますね。そういう意味では、学校に慣れ、夏休みを過ぎるタイミングの例年この時期の9月前後に新たにそろばんをはじめる人も多い地域ですので新たに習い事をお考えの方はご検討いただければと思います。

さて、検定結果と会場実施のあんざんコンクール川崎大会は、以前のコメントの通りですが、教室には5月中旬に実施の「第21回全神奈川通信競技大会(スピード)」の結果が届いています。過去最高の45名が参加し、1000点以上が6名。連続参加者が37名、その中で前回第20回比100点以上アップ者が11名。全体で前回比平均アップが約68点/人。この結果は半年間で多くの人が技量を伸ばし、頑張った結果ですね。また、初参加者が、1年生1名を含み、6名でした。総得点の成績表彰は逃しましたが、過去最高点比較の川崎市内のチャレンジ度表彰(24人)の中で、3人(3年生・4年生・中1生)が表彰されました。毎回、全体のレベルアップになっているようで、次の11月が楽しみですね。

また、試験場検定後に実施の「 満点チャレンジ 」の結果も揃いました。残念ながら、今回も満点はでませんでしたが、合格級の各種目8分ごとの珠算の結果では、種目毎には満点を含め、9割以上の正答率など、一つ下の級での正答率はアップしている人が多数でています。「間違わないことへのこだわり」を是非とも高めてほしいですね。「 全国あんざんコンクール 」の結果も届きました。川崎市内で500名を超える参加者の大会で、教室からは25名が参加できました。結果は、金賞に5名(小3が2名、小6が2名、中3が1名。川崎市内の一覧表に名前記載)、銀賞が13名、銅賞が7名でした。この大会への参加も毎年増えていますので、来年には参加者だけでなく、金賞の入賞者ももう少し増やしたいですね。最後に先週実施の「 フラッシュ暗算検定 」の結果も教室に張り出してあります。中級者は前回のリベンジ組も多数で、7級から10級の1部の初級クラスからの受験者(珠算を初めて1年以内前後)も、合格者多数です。上級者の中では、段位は今回はダメでしたが、あと一歩のメンバーも多く、次回にリベンジですね。

6月試験場検定結果(速報)

6月25日の試験場検定(日本商工会議所検定 珠算3級以上)の結果を教室に張り出しました。いつも思うことですが、全員が合格となればよいのですが、技術検定ですのでそうもいかず、結果があることは仕方がないものです。本番に強い人、弱い人、最後の追い上げのできた人、過信していた感のある人など、最後まで努力をしてきましたがこれが本番の検定試験ということですね。

試験の結果は、段位受験者は、1名が、珠算で準初段、暗算で初段の段位認定となりました。おめでとうございます。他の段位受験者は、種目別で認定段位があります1級受験者は、2名合格です。2級1名3級4名合格です。1級は、今回も川崎市内で20名の中でですので、素晴らしいですね。練習で良い成績をとっていても本番で失敗の人、あとほんの少し一歩届かずの人もそれぞれの級でいます。今回合格点に届かなった人は、次は10月にリベンジですね。(*1級から3級の人の合格者番号は川崎珠算協会のホームページでも確認できます。)

全国あんざんコンクール川崎大会

昨日7月1日(土)に、11教場からの約130名の参加者で「全国あんざんコンクール川崎大会(会場:川崎市総合自治会館)」が盛大に開かれました。教室からは、最終6名の暗算が得意なメンバーが参加しました。結果は、個人総合競技には残念ながら入賞できませんでしたが、種目別競技(読上暗算・フラッシュ暗算競技)に、2年生、6年生、中学生(中学生は決勝参加)が、一人ずつ入賞しただけでなく、なんと教室として、教場別の当日の各クラス別の最高点の4名の合計点で競う団体競技で全体の4番目の2位枠に入賞しました。(2年生、3年生、6年生、中3生の4選手)とても嬉しいことでもあり、これからも頑張ってほしいですね。

6月検定を終えて(速報)

6月検定のうち、教場検定の結果を教室に張り出しました。今回は、珠算は準2級から9級、暗算は1級から6級、読上算は上級の合格者がなく5級のみ、読上暗算は1級から7級の合格者となりました。中では、3年生の準2級1人、同じく3年生の暗算2級1人、3種目合格者が4年生に1人などがありました。

その他では、珠算の7級までの下級受験者はみとり算のミスが多かった人(1人)は残念ながら合格点には届かず、ほかは8人は合格です。4級・5級は半々で、暗算は、上級は半々、下級はほぼ合格という内容で、読上暗算は、全体7割近くの合格でした。今回ダメだった人は、8月に挑戦です。

次は、7月に試験場検定の結果が発表されます。試験場検定はなかなか厳しいかもしれませんが、最後まで精一杯頑張っていましたのでよい結果がでればよいですね。

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三手の読み

今回は、そろばんとは直接関係しませんが、将棋界で中学生が昨日、28連勝という30年ぶりの記録更新をしている話題でにぎわっています。小学生時代に将棋をしていたものとしてはとても楽しみでもあり、将棋という頭脳ゲームのブームの再来があるとよいですね。また、将棋界だけでなく、スポーツの世界でも最近の10代の活躍には目を見張るものがあります。そろばんの場合にも10代前後はとても能力が開花する時期です。以下の先読みのことと伸びる時期というのも大事で、その時にそれをやっているかどうかということですね

ところで、将棋の言葉の中に、「 三手の読み 」というものがあります。それは、将棋の一手一手のやり方の『 読みの基本的な考え方で、「自分がこう指す。すると相手はこう指してくる。そこでこちらはこう指す」というように、三手先まで読んで次の一手を指すこと。故原田泰夫九段の言葉(日本将棋用語事典より)』です。この2番目の「相手がこうさしてくる」が大事なことですね。ここがで、自分本位(自分勝手)の人はなかなか将棋が上手くなれない常に自分中心で行動を考えるので相手の動きが読めないからです)のはよくわかりますね。これはすべてに共通しているようにも思っています。

何かをうまく進めるためには、「まず自分の目(1つ目の目)で見て考える、そして相手の目(2つ目の目)で見て考えて相手がどうするかを考える、その上でさらに良いほうへ進めるための次の手を事前に考えておく(1つ目の目で、あるいは客観的な3つ目の目で)」ということです。しかし訓練をしないと、この相手の目で見ることが残念ながらなかなかできないものです。サッカーのドリブルのフェイントのときにそれを仕掛けてくるのではと読んで動くとボールを奪えた経験や、野球のバッターの時に直球が外角にくると読んで上手くヒットを打った経験などはありませんでしょうか?相手がある場合に常に2つ以上の目で見ることができれば上手くいく可能性があるということですね。先見力も大事な時代にこのテーマはとても面白いですね。