10月検定(H28年)の結果から

先週実施の教場検定の合格者名を教室に張り出しました。全体としては、珠算・暗算は約7割合格(珠算の3級以上は来週発表)、読上種目は約5割弱合格。暗算、読上算、読上暗算の今回の上級受験者の合格は難しかったですね。読上種目は、背伸び受験もありましたが、もう少しクリアしてほしかったですね。珠算・暗算の合格点に届かなかった3割メンバーは12月にリベンジです。あと一歩組がこちらは多数いますので。

個別にみると、今回は、四種目(珠算・暗算・読上算・読上暗算)合格者1名、三種目合格2名の計3名全員が受験種目全て合格の3年生、他の読上げ種目でも特に3年生の頑張りが目立つ内容となっています。3~4年生の2種目合格者も多数で確実にステップアップしていますので、今後が楽しみですね。逆に、1つ、あるいは2つに受験種目を絞ったにも関わらずダメだった人もいます。ギリギリで付け焼刃的での挑戦では無理ですね。検定試験はそこまで甘くはありませんね。

また、今回は、今年入学の年長さんの珠算のはじめて受験9級合格)もありました。他にもかけ算九九を学校で習う前に学習して覚えた1年生の暗算4級合格など、一つ一つ必要なことややり方を覚えていくことができれば、年長から2年生の低学年でも十分に検定試験に半年程度で挑戦できますね。確認すると、すでに1年以内メンバーで全体の4割ぐらいが珠算の級を取ることができています。伸びしろが大きなメンバーですので、引き続き頑張ってもらえたらと思っています。

そろばん学習のイメージ

2年以上前に「そろばんは古い?」という表題でのコメントを載せましたが、その後もいろいろなところでたくさんの議論が見られようですね。 「 そろばんを習うとは、黙々と計算問題をそろばんを使ってやる 」こと、これは、そろばんというツールしかイメージできない人や下級の合格までやめてしまった人に多い実感、先入観からが多くあるように思われますが、何事も自分の知っていることからだけでの判断はもったないですね。今は、もっと多様化しており、「暗算力や数感覚」は入試やビジネスの武器にもなると考えます。  「なぜ懸命に勉強して大学に進むのか?」の問いに対して、「理由は?ですが、大学に行けばそこから先に何かがみえると思うから」と言った人がいました。確かに山に登っても、ある高さ以上に登りきらなければ遠くの綺麗な景色は見えませんよね?

そろばんは古い?20140319 コメント

ところで、その際にあげられる「そろばん学習のメリット、デメリットは、「計算力が向上する、記憶力、集中力や忍耐力がつくこと、数感覚が磨かれ算数の導入時に嫌いにならずにすむ」などがメリットととして、「習得するのに時間がかかる、計算方法を考えずに計算を処理するようになる、ツールのそろばんはもう使わない、珠算の段や級をとっても試験では評価されない」からデメリットという人などがいます。どちらのそれぞれもなんとなくわかりますね。

ただ、物事の取り組み方・見方は、「 長期的にみる、多面的にみる、本質的にみる 」方がよいといわれています。 したがって、「一生という期間で考えれば幼少期の数年間は必ずしも長くはなく、習うことができる様々な技能とその広がりから習得できることはとても可能性があり、なにより人間力としての身につく様々な能力ことはとても有益と考えてもよい」と思います。  ただ、時間は有限ですので、目の前の受験や、テスト勉強だけの近視眼的な結果で価値判断をする限りはそれもそれですね。物事には必ず2面性があるものですので、よいと思えばそれを活かすまで使いこなす、ダメと思えば他で学べばよいですね。いかが考えますか?

平日「2+(学年)」、休日「4+(学年)」

表題のこれを見て「 なんのこと? 」と思われますか? 今週の週刊誌(週刊東洋経済)の特集「 高校力 」の中にあった記事からですが、神奈川県の県立高校私立学校ではありません)の県立横浜翠嵐高校の入学時に伝えられる内容だそうです。

内容はというと、「 毎日の家庭での学習の時間 」です。これぐらいの覚悟を持って入学する必要がこの県立の進学校にはあるとのことです。高校1年生でも「 平日3時間、休日5時間 」。大学受験に成功するためですが、都立日比谷高校でも夏期休暇中は400時間の学習(40日の休暇とすれば1日10時間)という内容もありました。その取り組み方の指導も含め、公立も工夫をする時代になっていますね。

やはりこのような一定期間の毎日の積み重ねや、さらに模試が必須で自分のレベルや弱点を知ることや競争することなどは目標達成のためには必要なことですね。先日の全国学力テストの結果に通じるものがあるようにも思います。勉強も技術習得も共通ですね。 ところで、この内容を見て、「 週2回程度の計2~3時間/週(8~12時間/月)のそろばんの学習時間自宅で仮に習い事のない日に30分練習したとしても月12時間程度、合わせても月24時間ぐらい」というのは、微々たるもののように感じてしまいますね。どうでしょうか?

全国学力テストから

先週に今年の学力テストの結果分析が発表されました。北陸と東北の県の学力の高さは毎年ですね。トータルの学習時間も少ないにも関わらずのようですので、素晴らしいですね。一方、学習塾への就学率が高く、勉強時間は見た目は長い、関東や関西がいつも届かないのは、一人一人の学習姿勢や受け身の学習環境と関係がありそうですね 大学受験でも北陸はとても高い学力を示していますので、小さいころからの自主的に学ぶ学習姿勢が身についているところということは確かなことかもです。

また、東北などの学校での取り組みを先生方が訪問、学習し、まねた沖縄県がとうとう平均を上回ったことは学ぶ環境もということですが、秋田県などでの、一人ひとりが「学習ノートなど」を使って、自宅で一定時間自主的に机に座って勉強するスタイルというのはとても大事なことなのでしょうね。学校や学習塾での受け身の学習方法で、家で自分から自主的に学習することの少ない勉強法は残念ながらいつまでたってもその実践する人のグループには届かないのかもですね。宿題だけをこなすというのも自主性はないですから。

自分では考えない、自分では調べない、教えてもらうまで待つ、教わっていないことは考えもしない・・・」などでは、ダメということですね。今は、知ろうとすればなんでも調べられる時代です。「知らないことにぶつかったらどうするか。」 それは、「主体的・自主的に学習する(しようとする)」 ・・・これも早くから身につけるべき習慣なのでしょうね。そろばんでも、自宅でも少しでも時間を作って練習する人の習熟、熟達スピードと理解力はとても早いですね。何事でも同じですね。

努力は大事・・・

「 GRITグリット・・・やり抜く力:ダイヤモンド社) 」に次のことが書かれていました。

・・・・ 「 才能 × 努力=スキル 」 「 スキル × 努力=達成 」 ・・・・

スキル」は、「努力」次第で一定のレベルまでは習得でき、努力の仕方次第で、仮に才能がなくとも一定のレベルまでは習得できる可能性があり、一方で、才能ある人も努力をしなければ「スキル」は習得できないというもの。(どのような人も継続的な努力を怠れば、「スキル」は頭打ちなるということは実感できる内容でもあります。)  さらに、一定のレベルの「スキル」の上にさらに「努力」を重ねることで目的のゴール、成果を出せる「 達成 」のレベルにたどり着くというもの。納得できますね。

ところで、内容によっては、一定のレベルでよいと考えるか、ハイレベルの達成の領域までチャレンジするかについては、使える時間や希望、目的などにもよりますね。今の取り組んでいる様々なことについて、努力の仕方と自分なりのゴールイメージはどうでしょうか?

10になる数 小1算数

「 1と9で10、2と8で10、3と7で10、 ・・・ 8と2で10、9と1で10 」 これは小学1年生の算数でつまづきやすい、10の合成と分解です。しかし、算数の基本中の基本の内容です。そろばんでは初級の最初の方で習う内容です。

そろばんをはじめたばかりの年中さんから2年生ぐらいの新入生の1部の時間の人のほぼ全員が、夏休み後ぐらいから正しい指の練習として、一定時間同じ数だけたす「 1だけ足し算 」からスタートし、「 9だけ足し算 」まで到達しました。最初は多くの幼稚園生などは習っていないので、10になる数がわかっていませんでしたが、この練習で次々と当たり前のように10の合成をマスターしています。 そろばん技術の基本」ですが、これがとてもよいところですね。*上級者も正しい指使いの練習でもう少し高度なことを行っています。

最初は「難しい」と言っていた何人もが半月ちょっとでなんなくこの段階をクリアして次のステップに登っています。「覚える必要のあることを繰り返すことで反射的に身につけている」ということですね。次は、しばらくのちに「 かけ算九九 」にも入ります。最近は高校生でも覚えていない人がいるなど、なかなか覚えられない人が増えているようですが、「 そろばんでは必須  」となります。ここもとても大事な要素であり、10の合成・分解とともにそろばんを習う一つのメリットかもですね。

おつりの計算

「 100円ショップで3個の商品を買いました。いくら払えばよいですか? 」 お子さんに聞いてみたらできますでしょうか? 今、この買い物をいくらのお金をだしてよいのかすぐにはわからないお子さんが多いようですね。 買うものが1個の場合ならば(108円を覚えていて)すぐにできるかもしれませんが、3個となるとどうでしょうか? そしてさらに、「 1000円札を出しておつりをもらいます。いくらのおつりが戻ってきますか? 」 となると「 もはや? 」となる人ばかりのようですね。

買い物の「 消費税を計算するとどうなるかと補数(おつりの計算)の問題 」ですが、この程度の計算が瞬時にできたらよいとは思いませんか?というより、こういう日常はありえますよね。 今は、消費税が8%ですので、具体的には、消費税の『 300円 × 8% 』 この計算ができるかどうかとなりますが、割合の計算は、4年生からです。ですので、お子さんは「小数点や%のかけ算ができることよりも、人によっては1つを買う値段の108円のたしざんから計算するかも」しれません。(1000円を払ってのおつりは引き算から計算。)

やり方はどちらでもよいとは思いますが、日常生活の上では、誰もが学校の算数で習う習わないにかかわらず、早くからこの内容をできた方がよいようにも思いますね。このような計算がすぐにできないということは、残念ながら「 一人で、お金を持って、ちゃんとおつりをもらって帰ってくるような買い物をすることが、小学生の高学年になるまでできない可能性がある 」ということと同じになってしまいますね。ですので、日々の中でもこのような計算はできるようなトレーニングは必要と思いますがいかがでしょうか?数感覚のトレーニングや計算慣れの必要性ということですね。

はじめるタイミング

小中学生や若い世代の成長には目を見張ることがあります。オリンピックを見れば明確ですが、その前提に、どのようなものにも「 それをするタイミング、始めるタイミング 」ありますね。大器晩成の場合もありますが、技能に関してはやはり早く始めたほうが伸びるためにも、レベル向上のためにも優位性があります。スポーツ選手や囲碁・将棋の棋士などは典型ですね。「そろばん」も早く(年長から2年生ぐらい)に始めたほうが「 暗算(あんざん)力 」の伸びには違いが大いにでてきます将来役立つ能力ですのでとても大事ですね

さらに、子供の技能の伸びと大人になってからの「 技能の伸びの違い 」、具体的には、「 習得の速さ 」と「 向上(到達)レベルの違い 」はとても大きな差がでてきます。一つのことに投入できる時間の違いもあるかもしれませんが、それ以上に伸びしろの違いもでてきますね。あっという間に一定のレベルを超える力というのはやはり素晴らしいものがあります。その「 伸びしろの大きさを決める要素を高める 」ためも低年齢のときというのは大事ということですね。そのベストのタイミングに、何をどこまでどのように努力させるか(がんばるか)ですね。

先月に「 あんざんコンクール 」がありました。特に、かけ算九九を覚えたばかりの1~3年生の低学年組が、毎回、問題をやるたびに点数を一気にアップさせていました。参加者は点数だけでなく、もらった賞状に大喜びでした。)その伸びは高学年とは比較できない高さでした。本人的にも「 とても面白く感じている 」ようでもあります。やろうとした人だけが感じることのできる達成感かもしれませんね やはり、何ごとにも旬(今やるタイミング)があるということ 」と「 その時にやるべきことはしっかりやる(やろうとする)ということは大事ということですね。(ただ、どのようなものでも、本気でやろうとしなかった人では差はでません・・・・)

オリンピック・・・勝つ姿を見て

今回のオリンピックでこれまで以上に特に感じたことを追加したいと思います。それは、「 勝つこと 」への執着心の高さです(もう一つ感じた若い力の伸びしろは次回にでも・・・)。 水泳、柔道、卓球、バドミントン、レスリング、シンクロナイズドスイミングそして400mリレー ととてもたくさんの選手がこれまで以上にその凄さを見せてくれました。誰もが感動する姿の連続だったと思います。これは「勝負の世界のトップになるためには必要な力」なのでしょうね。

この凄さは、「 ハイレベルな集中力とやり抜く力 」と連動するとても素晴らしい能力と思います。そして、誰もが簡単にまねられるものでもない究極の力で、日々の精神面と体力(技術)面の努力の積み重ねからの成果と思いますし、とても称賛されるものでしょうね。他の世界でも例えば、今同時に開催中で明日が決勝の甲子園の高校野球にもこの姿があるようにも思いますね。

ところで、今回のことを普通のレベルに下げて他のことに当てはめてみると、「技術検定や検定試験などは、勝負ごと(1位や順位を決めるような)ではない合格の基準点に届くことが要件」ので、オリンピック選手のような努力までが必要とは思いませんが、やはり「 合格したい、合格点を取りたい 」という強い執着心(思い)の有無はとても大事な要素でしょうね。そろばんでも、次の10月検定に向けて、こういうメンタル面もやはり鍛えることが大事でしょうね。

オリンピックと習い事

今年のオリンピック選手の活躍は素晴らしいですね。元気と勇気をもらえます。ところで、オリンピックの競技を見ていて思うことですが、一つのことに時間をつぎ込んでいるとひとつはその集中し時間をかけた努力は素晴らしい結果を生む可能性があるということと、そしてもう一つは他のことはできなくなる可能性もということです。後者は、それまでの生い立ちの特集をみるとそれぐらいシビアな世界ということですね。しかし、一定期間時間をつぎ込んで、例えば〇〇オリンピックでメダルを取ることのように、ある時点(この期間がそれほど長くないことは重要)までで成果を上げるならばそれは意味のあることかもです。 その目標の立て方は、「  いつまでに何をどこまで  」ですね。 しかし、今の習い事は毎日休みなくではありませんので、オリンピック競技のシビアな世界とはちょっと異なり、「やる気次第」で可能とは思いますね。そろばんでも全国大会優勝や十段をとるを目標とすればオリンピック同様かもですが・・・。

ところで、「習い事」というのは数年しか習わないのが普通です。一生、例えばプロとして、それで生活していくことができるものは長く習い続けるかもしれませんが、そうでない場合は長くても5~6年習う程度でしょうか。その期間にどこまで到達しておくか(期間目標と到達目標)というのはとても大事なことと思います。そろばんも途中でやめてしまう人は別ですが、短い人は2年程度、長い人でも最終的に中学2年ぐらいまででしょうか。その卒業時には、やはり一定レベルまでは到達しておいて欲しいものですね。一つの目安としては、珠算2級以上、暗算2級以上でしょうか。(必ずしも合格でなくても)それもできるだけ早くですね。

しかし、いつまでに・・・の期間の目標があいまいで、さらに、日々ダラダラと流されているような、ただ時だけ過ぎていくような時間の使い方は残念な行動で、成果のない、成果の見えない時間の使い方というのは無駄というか他のことで成果を出したほうがよい状態ですね。ビジネスの世界では、「 機会損失 」ということです。ほかに使っていたら他の方が成果がでていたかもしれないということですね。ただ、いつもフラフラの人やひとつのことをすぐにあきらめるひとは残念ながら機会損失の前にどのようなことでも達成感ややり切り感を持てずに終わる可能性の方が高いのも確かなことです。是非とも、そういう意味で「期限を切った到達目標を持った活動」と「一定の結果を出すこと」をどのような習い事でも大事にしてほしいですね。